高校数学と大学数学の大きな違い 前編
高校数学と大学数学の大きな違い
中学校や高校で数学を学び「前は好きだったのに面白くなくなった」と感じ、大学では物理や化学系に進んで、数学以外を学んでいるという方も多いのではないのでしょうか。
結論から言うと、それは非常にもったいないです。数学が好きだからこそ大学で数学を学ぶべきなのです。なぜなら、高校の数学と大学の数学は全く違うからです。おそらく高校までは問題を解くのが中心で嫌になったのではないでしょうか。その点も踏まえて高校(までの)数学と大学数学の違いを紹介します。今大学生の方や高校生の方の1つの選択肢としてこの記事を役立つとうれしいです。
(1)時代
高校までで学ぶ数学は、大体1000~2000ほど前に確立された数学がほとんどです。新しいものでは、高校数学のメインである微分積分学ですが、これは1600年代にニュートンらにより確立されました。平面図形の定理であるチェバの定理や複素数のドモアブルの定理でも1700年代です。美術でいうと、ピカソやゴッホを知らずに壁画ばかりしているようなものです。
それに比べて大学数学は、極端にいうと数学が発見(?)されてから今現在までを扱います。数学は現在でもどんどん発展してきています。最先端になんて追いつけません。
(2)目的
高校では主に受験をパスするための数学ですね。だから問題を解くことが中心になっています。これで嫌いになった方も多いのではないでしょうか。大学では、主に論理です。問題を解くときもありますが、それは自分の理解を確かめるためで、基礎的な問題を解くことが大切になってきます。基本的な学び方は、後述しますが教科書を1行1行じっくりと読み込むことです。
(3)教科書
高校では、文部科学省の認定教科書です。何度も見直されているので誤植等はありません。大学では、国内外の大学の教員が書いたものが一般に使用されています。誤植等はよくあるので教科書を鵜呑みにせず自分で考えることが必要になってきます。しかし、結果として数学の学びはそれが効果的だったりします。また、数学の各々の分野で名著と呼ばれるものがあります。さらっとでもいいので、触れておくことをお勧めします。
(4)学び方
高校ではとにかく解きまくることです。大学では、基本的に教科書を1行1行じっくりなめるように読むことです。1行に1時間、1日かかることは当たり前です。そこを楽しめるかどうかです。目標としては、(人のよって違うとは思いますが)自分で何も見ずにその内容について授業ができることです。これは、暗記とは違い、徹底的に学習すれば、数学の定義、定理、証明、補題など、すべての繋がりが分かるということです。詳しい学び方は、「ゼミの仕方」等で調べてみてください。
長くなったのでとりあえず前編はこれで終わりです。